結論から書くと、国は予備費781億円を中小企業などのスマートレジ導入やPOSレジ改修への支援などに充てると説明していて、補助金の仕組みは別の資料で示されています。ただし補助には上限と率があるので、その外側は事業者の負担です。2029年4月に8%へ戻すときの改修への支援は、いまの資料には書かれていません。そして、お店が負担した分が私たちの買い物の値段に乗るかどうかも、決まったわけではありません。
前提を1つだけ。1%にする法律案は2026年10月9日に閣議決定されましたが、2026年10月11日時点で、私が確認した範囲では成立していません。1%の期間は2027年4月1日から2029年3月31日まで、という「予定」の話です。以下の内容は、法律の成立や補助金の公募要領で変わる可能性があります。
「レジの費用って、結局誰が出すの?」という疑問から、調べてみました。
国が負担するのは「予備費781億円」と補助金の枠組み
2026年9月29日、政府は予備費の使用を閣議決定しました。総額は1,119億円。財務大臣の会見では、このうち781億円が「中小企業等のスマートレジの導入やPOSレジ改修などに対する支援など」に必要な経費だと説明されています。
「など」とあるので、781億円の全部がレジの補助とは限りません。内訳までは確認できていません。
補助の中身は、これとは別の資料に出ています。中小企業庁などが出しているチラシで、既存の「デジタル化・AI導入補助金」の枠の中に「事前着手制度」を設けるというものです。2026年9月15日以降に対象のスマートレジを導入したり、POSレジを改修したりした場合、条件を満たせばあとから補助金を申請できます。ただし、申請しただけで必ず補助されるわけではありません。
ここは混ざりやすいところです。「781億円」は会見の説明、「補助の中身」はチラシ。この2つが同じ財源だと書いた公式資料は、私が調べた範囲では見つかっていません。共同通信は9月24日に、この補助に2026年度の予備費を充てる方針と報じていますが(二次情報)、781億円の内訳としては確認できていません。なので「781億円でこの補助金が出る」とは書きません。
新しい補助金ができた、というより、既存の補助金で「先に買ってもいい」と順序を特例にしたのが中心です。チラシに補助率の上乗せの記載はありません。
国の方針としては、2026年9月15日の大綱の閣議決定で「レジシステムの移行・改修に関する中小企業等への支援を行う」と書かれています。
事業者が負担するのは、補助の「上限」と「率」の外側
ここが核心です。チラシ(2026年9月15日付)の内容を表にしました。
| 対象経費 | 補助の上限 | 補助率 |
|---|---|---|
| ソフトウェア・役務(スマートレジのシステム、POSレジの改修、導入設定や研修など) | 1機能で50万円、2機能以上で350万円 | 50万円以下:4分の3(小規模事業者は5分の4)/50万円〜350万円:3分の2 |
| ハードウェア(レジ本体、PC・タブレット) | 20万円 | 2分の1 |
見出しに「最大350万円」と出ているので、全額もらえるように読めてしまいそうですが、違います。350万円は補助額の「上限」で、もらえる額の目安ではありません。
しかもレジ本体などのハードは別枠で、上限は20万円、補助率は2分の1です。補助率がある以上、残りは事業者の負担になります。
では「このレジなら自己負担はいくら」という計算はできるのか。ここは書きません。補助率の段階がどの金額にどう掛かるのかは、公募要領を見ないと確定できないからです。事前着手制度の公募要領は、事務局の新着情報で確認した範囲では、2026年10月11日時点ではまだ公開されていません。
日程も暫定です。チラシでは、対象期間が2026年9月15日から2027年3月、申請受付が2027年1月から2027年3月となっていて、どちらも「調整中」。補助金の事務局は申請受付を「2027年1月頃」と案内しています。
チラシの留意点から主なものを挙げると、あらかじめ事務局に登録された製品が対象で、契約・納品・支払いの書類は保管しておく必要があります。細かい実務は、公募要領が出てから整理が必要です。
対象は中小企業者と小規模事業者で、チラシは「中堅企業も一部対象」とも書いています。それ以外の事業者の扱いは、チラシには書かれていません。
まだ示されていないのは、2029年に8%へ戻すときの改修
答えは「いまの資料には書かれていない」です。1%にする改修は2027年4月。そして2029年4月1日には、飲食料品の税率が8%に戻る予定です(国税庁のQ&A)。ビジネスジャーナルは、従来型のレジは改修が2回必要になり、クラウド型のスマートレジなら設定変更で対応できるとされる、と伝えています(二次情報)。
いま確認できる補助は、1%にする準備のほうです。対象期間は2027年3月までで、これも調整中。8%に戻すときの改修への支援について、チラシ・大綱・法律案には2029年分を明記した記述はありません。法律案にはレジ補助の条文自体がなく、支援は予算で措置されています。
2029年に戻ったときの家計への影響は、別の記事で数字を出しています。食品消費税が2029年4月に8%に戻ったら?食費3万円で月1,944円、5万円で月3,241円の負担増を見てください。
私たちの買い物の値段に上乗せされるかは、まだ分からない
私が確認した範囲では、価格に上乗せされると示した一次資料は見当たりません。
出ているのは「可能性の指摘」です。J-CASTは、農業・水産業の関係団体が2026年4月22日の社会保障国民会議で、改修費用が本体価格に転嫁される可能性を示した、と紹介しています(二次情報)。
可能性の指摘と、値上げの決定は別の話です。
まとめ
国が出す枠はある。上限と率の外側は事業者。2029年の分は、いまの資料には書かれていない。値段への影響も決まっていない。今の時点で言えるのは、ここまでです。
補助率や日程は「調整中」の項目が多いので、公募要領が出たら変わる可能性があります。
家計がいくら安くなるかは、食品消費税8%→1%で家計はいくら安くなる?食費3万円・5万円の節約額を計算にまとめています。
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参考リンク
- 財務大臣会見(2026年9月29日): https://www.mof.go.jp/public_relations/conference/my20260929.html
- 予備費使用の閣議決定文書: https://www.mof.go.jp/policy/budget/budger_workflow/budget/fy2026/r80929kakugikettei.pdf
- 中小企業庁チラシ(事前着手制度): https://mirasapo-plus.go.jp/wordpress/wp-content/uploads/2026/09/15181603/digital_ai_shohizei.pdf
- 補助金事務局: https://it-shien.smrj.go.jp/news/40184
- 共同通信(熊本日日新聞掲載、2026年9月24日): https://kumanichi.com/articles/2039076
- 大綱: https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shouhizei_zeigakukoujo/pdf/sankou5.pdf
- 法律案: https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokuminkaigi/contents/20261009/siryou3.pdf
- 国税庁Q&A: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0026008-127_qa.pdf
- J-CAST: https://www.j-cast.com/2026/06/07515401.html?p=3
- ビジネスジャーナル: https://biz-journal.jp/2026/08/post_395524.html

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