結論から言うと、「底を打つまで」と「元の高値に戻るまで」は、まったく別の長さでした。過去の大きな下落では、たとえば世界恐慌は底まで2年8か月、高値を取り戻すまで25年かかりました。日経平均は、終値で最高値を更新するまで約34年2か月かかりました。
米国株(S&P500)の長い歴史を、高値から20%以上の下落で区切って見ると、上昇局面(強気相場)のほうが下落局面より長い傾向もあります。長期の上昇と、数年の低迷。この両方が過去にあった、という話です。
ちなみに2026年10月16日の終値で、S&P500は最高値(2026年10月6日)から2.04%下、日経平均は最高値(2026年6月25日)から9.73%下です。この記事では下落の理由には触れず、過去の回復期間だけを見ます。
過去の暴落を並べると
過去の代表的な暴落について、高値から底までの期間と、元の高値を回復するまでの期間を比較しました。米国株はS&P500、日本株は日経平均の終値を使用し、配当は含めていません。なお、1957年以前の米国株はS&P500の前身となる指数のデータです。
| 事例 | 高値から底まで | 最大下落率 | 高値から元の高値を回復するまで |
|---|---|---|---|
| 世界恐慌(S&P500の前身指数) | 2年8か月 | -86.2% | 25年(1954年9月22日) |
| オイルショック期 | 1年8か月 | -48.2% | 7年6か月(1980年7月17日) |
| ITバブル崩壊 | 2年6か月 | -49.1% | 7年2か月(2007年5月30日) |
| リーマンショック | 1年5か月 | -56.8% | 5年5か月(2013年3月28日) |
| 日本のバブル崩壊(日経平均) | 19年2か月 | -81.9% | 約34年2か月(2024年2月22日) |
※世界恐慌は、Yardeni Researchの表で2つの弱気相場に分けられている1929年9月7日〜1932年6月1日を、高値から底まで通して計算しました。回復までの期間は、高値の日から数えています。
下落率と回復の遅さは、きれいには比例しません。ITバブルの下落率(-49.1%)はオイルショック期(-48.2%)とほぼ同じで、回復までの期間も7年2か月と7年6か月で近い。ところがリーマンショックは下落がより大きい(-56.8%)のに、回復は5年5か月でした。
ITバブルとリーマンショック。7年かけて戻ったあと、また下がった
ITバブルでは、S&P500が2000年3月24日に1,527.46で高値をつけ、2002年10月9日に776.76まで下がりました。高値を取り戻したのは2007年5月30日で、高値から7年2か月です。底から数えても4年7か月かかっています。この間に底から+97.0%上がって、やっと元の水準でした。背景はITバブル崩壊の記事にまとめています。
そのあと、2007年10月9日に1,565.15の高値をつけてから、リーマンショックに入ります。2009年3月9日の底は676.53。2013年3月28日に高値を取り戻すまで、高値から5年5か月でした。
2007年の高値は、2000年の高値を2.5%上回っただけです。7年かけて戻ったと思ったら、ほとんど上がらないうちに次の下落が来た形です。2000年3月24日から2013年3月28日までの13年0か月は、下落と回復の繰り返しでした。

S&P500(価格指数)週足。出典: TradingView
配当を再投資した場合や、積立投資を続けた場合は、回復までの期間が変わります。
日経平均は高値回復まで約34年かかった
日経平均の最高値(終値)は、1989年12月29日の38,915.87円でした。2009年3月10日に7,054.98円まで下がり(-81.9%)、高値から底まで19年2か月です。終値で最高値を更新したのは2024年2月22日の39,098.68円。底からでも約14年11か月かかり、高値からでは約34年2か月です。
同じ株式市場でも、国や時期によって回復までの期間は大きく異なります。
指数と個別株も別の話です。日経平均は構成銘柄が定期的に入れ替わるので、指数が最高値を更新しても、個別の銘柄が元に戻るとは限りません。
長期の上昇も、数年の低迷も、過去にあった
元の高値に戻るまで何年もかかった例があり、米国株(S&P500)では、長い目で見ると上昇局面のほうが長い傾向もあります。この両方を頭に入れておくことが大切です。
上昇期間が長い傾向は、Yardeni Researchが1928年以降のS&P500を、高値から20%以上の下落を弱気相場として区切ってまとめた表を見ても、Stifelの資料でも、同じ方向でした。Hartford Fundsの資料(Ned Davis Research、2025年3月時点)でも、1928年以降のS&P500の強気相場は平均約2.7年で平均+112%、弱気相場は平均約9.6か月で平均-35%と、強気相場のほうが長く続いています(定義によって平均値は異なります)。ただし、過去の傾向が今後も続くとは限りません。
今回の下落が過去と同じ経過をたどるとは限りません。短期で戻る可能性もありますが、「すぐ戻る」と決めつけることもできません。数年の低迷もありうるので、自分の投資方針や資金計画を一度確認しておくと安心です。
積立で見るとどうなるかは、新NISAの2年間で年初一括と毎月積立を比べた記事をどうぞ。2026年7月の日経平均の下落は別の記事で書いています。
もし記事が少しでも参考になったら、応援クリックしていただけるとうれしいです。
参考リンク
- Yardeni Research「Stock Market Historical Tables: Bull & Bear Markets」: https://old.yardeni.com/wp-content/uploads/BullBearTables.pdf
- Hartford Funds「Bear markets」: https://www.hartfordfunds.com/practice-management/client-conversations/managing-volatility/bear-markets.html
- Stifel「Bull and Bear Markets Since 1932」: https://www.stifel.com/newsletters/AdGraphics/InSight/Market-Volatility/Bull-and-bear-Markets-since-1932.pdf
- Yahoo! Finance S&P 500(^GSPC): https://finance.yahoo.com/quote/%5EGSPC/history/
- Wikipedia「S&P 500」(1957年の開始日): https://en.wikipedia.org/wiki/S%26P_500
- FRED NIKKEI225: https://fred.stlouisfed.org/series/NIKKEI225
- nippon.com「日経平均株価、34年2カ月ぶりの最高値更新」: https://www.nippon.com/ja/japan-data/h01927/
- 内閣府「月例経済報告 主要経済指標」: https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2014/11shihyou/shihyou1-12.pdf
- 日本経済新聞社「日経平均株価 算出要領」: https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/archives/file/nikkei_stock_average_guidebook_jp.pdf
- 日経平均プロフィル 日次データ: https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/historical/nikkei_stock_average_daily_jp.csv
- AP(ABC News)2026年10月16日: https://abcnews.com/Business/wireStory/major-us-stock-indexes-fared-friday-10162026-137331951
- AP(La Nacion配信)2026年10月6日: https://www.lanacion.com.ar/usa/how-major-us-stock-indexes-fared-tuesday-1062026-nid06102026/
- TradingView: https://jp.tradingview.com/

コメント