📉 楽天SCHDが戻らないのはなぜ?2025年の構成銘柄から見えた“足かせ”の正体
米国の高配当ETFとして長期投資家から人気を集めている SCHD(Schwab U.S. Dividend Equity ETF)。
しかし2024年後半以降、「株価が戻らない」「含み損が続いている」という声が目立つようになっています。
特に、楽天証券で買える投資信託 「楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド(愛称:楽天SCHD)」 を保有している方にとっては、不安材料になっているのではないでしょうか。
- なぜ他のETFは上がっているのに、楽天SCHDだけ伸び悩むのか?
- 今後の見通しはどうなのか?
- 配当重視なら持ち続けて良いのか?
この記事では、2025年3月の銘柄入れ替え(リバランス)後の構成銘柄や市場環境から、その背景と今後の戦略を詳しく解説します。
🔄 SCHDは年1回しか銘柄を入れ替えない
まず押さえておきたいのは、SCHDの仕組みです。
SCHDは 「ダウ・ジョーンズ米国配当100指数(DJ U.S. Dividend 100)」 に連動しています。
この指数は、年に1回(3月)だけ銘柄入れ替えを行うのが特徴です。
つまり…
一度組み入れられた銘柄は、たとえ低迷していても1年間は組み入れたまま。
このルールは、長期的な配当成長株を組み入れるという意味では合理的です。
しかし、市場のトレンドが急変した場合や、業績が急悪化した企業をすぐに外せないため、短期〜中期のパフォーマンスに影響が出ます。
たとえば2022年〜2023年にかけては、金利急上昇による高配当株全体の調整がありましたが、その中で低迷した銘柄がしばらくポートフォリオに残り続けました。
これが 「上昇相場に乗り遅れる要因」 の一つです。
🧩 2025年の構成上位に潜む「足かせ銘柄」
2025年3月のリバランス後、構成上位に以下のような銘柄が含まれています。
| 銘柄名 | ティッカー | セクター | 現状と課題 |
|---|---|---|---|
| Pfizer | PFE | 製薬 | コロナ特需終了後の売上減、株価低迷が続く |
| Verizon | VZ | 通信 | 成長鈍化&高インフラコストで重たい動き |
| Cisco Systems | CSCO | IT機器 | 成長性に陰り、テック株の中では出遅れ感あり |
| PepsiCo | PEP | 生活必需品 | ディフェンシブだが金利高で株価伸び悩み |
| 3M(除外済) | MMM | 工業 | 長期低迷の末、2025年3月に除外された |
上位構成銘柄の比率(2025年時点)

円グラフからもわかる通り、上位10銘柄だけで全体の約40%を占めています。
その中にはVerizonやCisco、PepsiCoといった、足を引っ張る可能性がある銘柄も含まれています。
📊 リバランスが年1回の弱点
低迷銘柄が「次の3月」まで残るため、トレンド変化に追いつけません。
具体的な影響例:
- 2024年後半、米国株市場ではAI関連やグロース株が急伸したが、SCHDは組入比率が低く波に乗れなかった
- 金利上昇局面で金融株やエネルギー株が一時的に強かったが、入れ替えの遅さで恩恵が限定的
このため、NASDAQ100(QQQやニッセイNASDAQ100)やS&P500(VOO)と比較すると、上昇局面でのリターンが見劣りします。
📈 株価推移で見る“戻らない理由”

この週足チャートを見ると、2024年後半から2025年にかけてはレンジ相場が続いており、上昇トレンドに乗り切れていないことがわかります。
短期的には反発局面もありますが、依然として高値更新には至っていません。
🤔 他ETFと比べて見劣りする理由
- ハイテク・グロース株が少ない
SCHDは高配当銘柄に特化しているため、AIや半導体など急成長分野の比率が低いです。 - 金利高に弱い
高配当株は「債券の代替」と見なされやすく、金利上昇局面では売られがちです。 - 為替の影響
楽天SCHDは為替ヘッジなしのため、円高になると基準価額にマイナス圧力がかかります。
📝 補足:構成セクターの偏りと配当株の特性
- SCHDには公益(Utilities)セクターがほぼ含まれていません。公益株は不況時に堅調な傾向があり、今回の調整局面でも他の高配当ETF(VYM, HDVなど)は比較的耐えているという指摘があります。
- また、配当株全般は高値更新の局面では上がりにくく、下落時に比較的安定する性質があります。そのため、NASDAQ100やVOOが上昇し続ける中でSCHDが伸び悩むという構図も自然な結果といえます。
📈 最新データで見る現在位置
2025年8月14日時点でのSCHDの終値は27.34 USD(−0.44%)でした。
長期的な配当成長は実績としてある一方で、短期的な値動きでは上昇トレンドに乗りづらい状態が続いています。
長期型投資家に嬉しい点:配当の歴史
SCHDは過去10年間以上にわたって継続的な配当の増加を続け、「高配当・安定志向」の長期運用スタイルにピッタリのETFです。インカム重視の戦略を考える読者には、安心感を与える要素になります。
📈 長期的な魅力と注意点
楽天SCHDは短期的な値上がりは期待しにくいものの、配当利回りは安定的です。
2025年時点でも年利3%前後の配当が見込め、長期ホールドでのインカムゲイン狙いには向いています。
ただし、
- キャピタルゲイン狙いならNASDAQ100やVOOの方が有利
- 市場環境によっては数年単位での含み損も覚悟が必要
💡 投資家が取れる3つの戦略
- 配当重視でホールド
高配当再投資で複利効果を狙う。 - 下落時にナンピン買い
基準価額が大きく下げたときに追加購入。 - 分散投資で補完
JEPQやVOOなど成長株ETFと組み合わせてバランスを取る。
✅ まとめ:不安の正体を知れば判断できる
楽天SCHDが戻らない理由は以下の通りです。
- 低迷銘柄が長期間残る
- 年1回の入れ替えで機動力不足
- 金利・為替など外部要因の影響を受けやすい
とはいえ、配当重視の投資家には依然として価値があります。
短期の値動きに惑わされず、自分の投資方針と照らし合わせて判断することが大切です。
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