楽天JEPQ徹底解説:米国グロース株×カバードコールの新戦略
2025年8月14日、楽天投信から新しい投資信託 「楽天・米国成長株式・プレミアム・インカム・ファンド(愛称:楽天JEPQ)」 が登場しました。
米国の人気ETF「JEPQ」を国内向けに投資信託化した商品で、NASDAQ100などの米国大型グロース株を対象に カバードコール戦略 を組み合わせたものです。
この記事では、楽天JEPQの基本情報からメリット・デメリット、他ETFとの比較まで徹底的に解説します。
楽天JEPQの基本
- 正式名称:楽天・米国成長株式・プレミアム・インカム・ファンド
- 愛称:楽天JEPQ
- 設定日:2025年8月14日
- 運用期間:原則10年間(純資産総額の推移次第で延長や繰上償還の可能性あり)
- 投資対象:米国大型グロース株(NASDAQ100など)+カバードコール戦略
- 決算頻度:毎月
- 信託報酬(実質):年率 約0.658%
- 為替ヘッジ:なし(為替リスクあり)
- 販売形態:国内籍の公募投資信託(円建て)
- NISA対応:対象外(2025年8月時点)
カバードコール戦略とは?
カバードコールとは、株式を保有しつつ、その株式に対する「コールオプション(買う権利)」を売ることでプレミアム収入を得る戦略です。
- 株価が横ばい・下落時:オプションプレミアムが利益の源泉となり、下落クッションになる
- 株価が大きく上昇時:上昇益がオプション売却によって一部制限される
つまり、「安定したインカムを得たいが、株価の爆発的な上昇益はある程度犠牲にする」 というのがこの戦略の特徴です。
楽天JEPQのメリット
- 国内で購入可能
海外ETF(JEPQ)を直接買うのは手間や為替コストがかかりますが、楽天JEPQなら楽天証券から投資可能。 - 毎月分配型
毎月決算が行われるため、分配金によるインカムゲインを期待できる。 - グロース株への投資+インカム補強
NASDAQ100などの成長株指数に投資しながら、オプション収入でインカムを得る。
楽天JEPQのデメリット・注意点
- 信託報酬が高め
年率約0.658%と、一般的なインデックスファンドに比べると高め。 - 上昇相場では取り残される可能性
カバードコール戦略の宿命として、大幅な株価上昇時にはリターンが抑えられる。 - 為替リスク
為替ヘッジなし。円高局面ではリターンが削られる可能性あり。
本家JEPQとの比較
項目 | 本家JEPQ(米国ETF) | 楽天JEPQ(国内投信) |
---|---|---|
上場市場 | 米国NASDAQ | 日本国内 |
通貨 | 米ドル建て | 円建て |
信託報酬 | 0.35%程度 | 0.658% |
流動性 | 米国ETF市場 | 国内販売会社経由 |
NISA | 成長投資枠で可 | 対象外 |
→ 手軽さは楽天JEPQだが、コストという点で差が出る。
楽天JEPQと他ETFとの比較
JEPIとの比較
- JEPIは米国大型株(S&P500系)に投資+カバードコール
- JEPQはNASDAQ100系のグロース株に投資+カバードコール
- 成長性重視ならJEPQ、安定配当重視ならJEPIという棲み分け
QQQとの比較
- QQQはNASDAQ100の純粋な値動きを享受できるETF
- JEPQはそのQQQの上昇を一部犠牲にしてでも、毎月のインカムを重視
どんな人に向いている?
- 毎月の分配金収入を重視したい人
- 米国グロース株に投資したいが、ボラティリティを抑えたい人
- JEPQに興味はあるが、国内で簡単に買いたい人
逆に、「長期の値上がり益を最大化したい」人には不向き。QQQやNASDAQ100インデックスファンドの方が適している。
分配金の目安シミュレーション(参考)
本家JEPQ(米国ETF)の過去1 年間の分配実績は、1 株あたり 約 $6.20(年利率で約11.1%)です。楽天JEPQの推定規模から仮にこれを当てはめた場合の計算例を示します。
投資元本 | 年間総分配(目安) | 月間受取(目安) |
---|---|---|
100万円(約 7,300 USD) | 約 111,000 円 | 約 9,250 円/月 |
300万円(約 21,800 USD) | 約 333,000 円 | 約 27,750 円/月 |
*あくまでも「本家JEPQの実績を参考にした目安」であり、楽天JEPQの分配を保証するものではありません。市況や運用成果により変動する点にご注意を。
本家JEPQのパフォーマンス

まとめ
楽天JEPQは、米国成長株+カバードコール戦略というユニークな仕組みで、毎月分配型のインカム投資をしたい人には魅力的な選択肢です。
タコ足配当のリスクやリバランスによる銘柄入れ替えで、必要な部分が削られる可能性もあるため注意が必要です。積み立てよりも下落時のスポット購入を意識するのが賢い使い方といえるでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q: つみたてNISAで買えますか?
A: 現在はNISA対象外です。
Q: 分配金は必ず出ますか?
A: 運用成果次第では分配金が減額される可能性があります。元本払戻しとなる場合もあります。
Q: いつ売却すればいいですか?
A: 運用期間は原則10年間と定められています。ただし、純資産総額が順調に増加すれば延長される可能性もありますし、逆に縮小すれば繰上償還(予定より早く終了)となるリスクもあります。
そのため、基準価額の動きに加えて純資産総額の推移もチェックしながら判断してください。
Q: 楽天SCHDとどちらがおすすめですか?
A: リスク許容度次第です。高利回りを求めるなら楽天JEPQ、安定性を重視するなら楽天SCHDです。
Q: 毎月いくら積み立てればいいですか?
A: 家計に無理のない範囲で。月1-3万円程度から始める方が多いです。
Q: 為替リスクはありますか?
A: あります。円高局面では基準価額が下落しやすくなります。
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