※この記事は相場予想ではなく、上げ相場で焦って余計な売買をしないための「自分用の行動メモ」です。
「高市相場(サナエノミクス)」と呼ばれる上昇トレンドが、さらに勢いを増しています。
2月の衆院選で与党が大勝し、選挙直後には日経平均が史上最高値を更新。場中で56,000円を超える水準まで上昇したとも報じられました。
防衛・半導体・AIなどのテーマ株が指数を引っ張り、「まだまだいける」という空気が強い。
一方で、足元では気になる火種もあります。
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中国による対日デュアルユース品の輸出規制強化
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1月末〜2月初めにかけて、金・銀を含むコモディティが広く下落
「この祭りは、あとどれくらい続くのか?」
今回は、選挙後の熱狂の裏で静かに進んでいるリスクを整理しながら、高市相場の「賞味期限」について考えてみます。
「高市相場」を支えてきた3本の矢
ここまで株価が強かった背景は、大きく3つです。
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積極財政への期待 ── 防衛・インフラなどへの投資拡大
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経済安全保障の推進 ── 重要物資・サプライチェーンの国内回帰
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政治の安定への期待 ── 選挙勝利で政策の継続性が高まるとの見方
選挙を経て「政治の不確実性が下がった」と市場が受け止め、買い安心感が出やすくなった。
この説明は、それなりに筋が通ります(ここは"見方"の領域です)。
しかし、死角はないのか?
2026年に入って、盤石に見えるこの相場にも、少しずつきしみが出始めています。
① 「国策」が「リスク」に見える局面(対中摩擦)
経済安全保障を進めるほど、相手国からの報復リスクも高まります。
中国側の措置は、まさにそれを意識させる出来事でした。
品目の範囲はまだ不透明で、企業ごとに影響が分かれる可能性も指摘されています。
「国策銘柄」として買われてきた分、逆風が吹いたときの値動きは荒くなりやすい。ここは注意が必要です。
② チラつく「課税見直し」リスク
積極財政には、必ず財源の議論がセットでついてきます。
金融所得課税についても、これまでは「強化すべき」「今はタイミングではない」と政治の中で意見が割れてきました。
今後も論点として浮上する可能性はあります。
ただし、具体的な税率を断定できる材料はまだ薄い。
ここでは「見直し議論が相場の重しになり得る」という整理に留めておきます。
③ インフレの副作用と「食料品消費税0%」の行方
円安は輸出企業には追い風です。
一方で、生活コストの上昇が続けば、支持率や政策運営にも影響し得ます。
ここで注目したいのが、選挙で掲げた「食料品の消費税を2年間0%」という公約です。
もし実現すれば、家計の負担感は確かに和らぎます。
ただし、ゼロ税率の設計次第では副作用も出ます。
輸出免税と同じ理屈で、売上は0%でも仕入れにかかった消費税は控除(場合によっては還付)され得るため、業種や企業によって得をする/しないが出る可能性があります。
さらに、減税の穴をどう埋めるのか(財源はどこから?)という議論も避けられません。
その流れの中で、②で触れた金融所得課税の見直しが意識されやすくなる可能性もあります(ここは見立てです)。
生活が楽になる政策は歓迎したい。
でも、財源論と"制度の歪み"が相場のムードを変える引き金になるかもしれない──この点は意識しておいた方がよさそうです。
④ テクニカル面での「加熱シグナル」
需給面でも、気になるサインが出ています。
信用買い残の積み上がり。
東証公表ベースで、1月30日申込み時点の2市場信用取引現在高(買い残)は 5兆3,867億円。
株価が崩れる局面では、追証回避の投げ売りが連鎖しやすく、これは「急落の燃料」になり得ます。
ボリンジャーバンド+3σの到達。
日経平均が+3σ(例:56,573円)を上抜けた局面では、短期的な過熱感から利益確定が出やすい、という市場コメントもあります。
(※+3σの数値は期間設定で変わるため、この記事では"過熱の目安"として扱います)
今後のシナリオ:賞味期限はいつまで?
高市相場がいつまで続くかは、「政策の中身」だけでなく「市場がそれをどう受け止めるか」で決まりやすいと思います。
私はいま、選挙後の上昇で"延長戦"に入った一方、次のテーマは 「現実との綱引き(財源・対中摩擦・インフレ)」 に移りやすい局面だと見ています。
シナリオA:対立材料が落ち着き、上昇がもう一段続く
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対中摩擦が限定的に収まり、政策期待が維持される
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「押し目買い」が機能しやすい展開
シナリオB:対立材料が増え、リスク回避が優勢に(転換点)
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対中摩擦が長引く、あるいは強まる
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課税・財源の議論が意識され、バリュエーションが切り下がる
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主役が「外需・ハイテク」→「内需・ディフェンシブ」へローテーション
私たちの戦略:浮かれずに「出口」を意識する
私自身の方針は、選挙後の上昇を見て 「攻めの比率を少し落とす」 です。
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コア(NISA・積立):淡々と継続。政治では動かしません
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サテライト(個別株):上がった分の一部を利確し、現金比率を上げます
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やること:信用残や過熱シグナルを見ながら、無理に追いかけません
「休むも相場」。
延長戦は楽しい反面、終わり方が急になりやすい。
今はアクセル全開よりも、いつでもブレーキを踏める状態を作っておきたい局面です。

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