楽天JEPQと楽天NASDAQ100を徹底比較 定期的な現金化ならどちらが有利?

投資の気づき

投資で資産形成した後、定期的に現金を受け取りたい場面は誰にでも訪れます。そんな時、分配金が魅力的な楽天JEPQと、2024年に新登場した楽天・NASDAQ-100インデックス・ファンド、どちらを選ぶべきでしょうか?


比較の前提条件

今回は「楽天JEPQの分配金利回りと同程度(年10〜11%)」で現金化する場合を想定して比較します。楽天証券の定期売却サービスを使えば、投資信託も自動的に定期売却できるため、手間の面での差はありません。


楽天JEPQの特徴

メリット

  • 毎月自動で分配金が支払われる(2024〜2025年は年利回り10〜11%台で推移)
  • カバードコール戦略によりボラティリティが約3割抑制される(β値約0.7)
  • 手続き不要で安定したキャッシュフロー

デメリット

  • 信託報酬が年0.658%と高コスト
  • 上昇相場ではオプション売りにより利益が制限される
  • 分配金の水準は市況により変動する可能性

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楽天・NASDAQ-100インデックス・ファンドの特徴

メリット

  • 業界最低水準の信託報酬(0.198%)
  • NASDAQ100指数の成長を完全に享受できる
  • 定期売却サービスを使えば自動化可能
  • 売却率を市況に応じて調整可能
  • 同じ楽天グループで管理が統一される

デメリット

  • 定期売却の設定が必要(一度設定すれば自動継続)
  • NASDAQ100の値動きをそのまま受ける
  • 2024年設定の新しいファンドで運用実績がまだ短い

コスト比較が決定打?

最も大きな違いは年間コストの差です。楽天JEPQが0.658%に対し、楽天・NASDAQ-100は0.198%。この差は長期では無視できません。

1,000万円を運用した場合の年間コスト:

  • 楽天JEPQ:65,800円
  • 楽天・NASDAQ-100:19,800円
  • 年間約46,000円、10年間で約46万円の差

税務面での違い

楽天JEPQ

  • 分配金は配当所得として課税(20.315%)
  • 配当控除の対象(外国株式のため効果は限定的)

楽天・NASDAQ-100

  • 売却益は譲渡所得として課税(20.315%)
  • 他の投資との損益通算が可能

どちらも特定口座(源泉徴収あり)なら手間は同じです。


コスト差では測れない「オプション効果」

単純に信託報酬だけを比較すると楽天NASDAQ100が有利ですが、楽天JEPQには「カバードコール戦略」による独自の効果があります。

  • 上昇相場:上値は抑えられ、NASDAQ100より利益が制限される
  • 下落・横ばい相場:オプションプレミアム収入が下落のクッションとなり、値動きがマイルドになる

シナリオ別の比較イメージ(100万円投資・1年)

※あくまで目安のシミュレーションであり、実際の結果を保証するものではありません。

  • 大きく上昇(+20%)
  • 楽天NASDAQ100:+20万円
  • 楽天JEPQ:+15〜17万円 + 分配金
  • 横ばい(±0%)
  • 楽天NASDAQ100:変化なし
  • 楽天JEPQ:+分配金(年10万円程度)
  • 下落(▲20%)
  • 楽天NASDAQ100:▲20万円
  • 楽天JEPQ:▲15〜17万円程度(分配金で下落を緩和)

👉 このように、楽天JEPQは「上昇相場の伸びは限定される一方で、横ばいや下落局面では比較的安定する」という性質を持ちます。


実績チャートで見るQQQとJEPQの違い

実際のチャートを見ても、この特徴は確認できます。
下の図は2022年のQQQ(NASDAQ100、ローソク足)とJEPQ(ピンク線)の比較です。

  • 上昇局面ではJEPQの伸びが抑えられている
  • 下落局面ではJEPQの下げ幅が小さい

この年、QQQは約▲32%下落したのに対し、JEPQは約▲20%の下落にとどまりました。
カバードコール戦略による「守りの効果」が実績としても確認できます。


結論:選択の決め手は投資スタイル

コスト差は年間4〜5万円程度。決定的とは言えず、むしろ選択のポイントは以下の要素になります。

楽天・NASDAQ-100を選ぶ理由:

  1. 年間46,000円の節約効果
  2. NASDAQ100の成長を完全に享受できる
  3. 市況に応じて柔軟に売却率を調整できる

楽天JEPQを選ぶ理由:

  1. 手間を一切かけずに分配金を受け取りたい
  2. 値動きを抑えて心理的安心感を重視したい
  3. 横ばい・下落相場で相対的に有利になりやすい

FAQ

Q. 楽天JEPQの分配金は将来も維持されますか?
A. 分配金の原資はオプションプレミアム収入と株式配当です。市場環境によっては利回りが下がる可能性があります。

Q. 定期売却と分配金、税制上の違いは?
A. 分配金は配当所得、定期売却は譲渡所得となり、損益通算できるのは譲渡所得側です。特定口座を利用すれば、いずれも税務上の手間はほとんど変わりません。

Q. 楽天NASDAQ100は分配金が出ないのですか?
A. 基本的に分配金は出さず、再投資される仕組みです。そのため複利効果を最大化できます。

Q. 楽天JEPQとNASDAQ100を組み合わせて持つのは有効ですか?
A. 成長性と安定性を組み合わせる分散投資としては有効ですが、同じNASDAQ100をベースにしているため相関が高く、完全なリスク分散にはなりません。

Q. NISA口座でどちらを選ぶべきですか?
A. NISAは非課税メリットが大きいため、長期成長を重視するならNASDAQ100の方が適しています。分配金重視なら特定口座でJEPQを検討するのも一案です。


まとめ

効率性を重視するなら 楽天・NASDAQ-100インデックス・ファンドの定期売却
簡便性と安定性を重視するなら 楽天JEPQ

特に「上昇相場をどこまで取りに行きたいか」「下落に備えて安定を優先したいか」で判断すると、より納得感のある選択ができるでしょう。

どちらも合理的な選択肢であり、「絶対的な正解」はありません。
ご自身の投資スタイルと照らし合わせて選択することが大切です。

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