給料から税金が引かれて、やっと残ったお金で投資。
なのに投資で利益が出ると、また20%も税金がかかる──。
「これって二重課税じゃないの?」と感じたこと、ありませんか?
実は、制度上は“別の所得”として課税されているのですが、
実質的には「再び税金を取られている」と思う人が多いのも当然。
今回はこの“二重課税の仕組み”をわかりやすく整理し、
海外との比較やNISAの役割まで解説します。
💬 給料→投資→税金…これって二重課税?
給料からはまず、所得税や住民税が引かれます。
たとえば手取り30万円というのは、すでに課税を終えた「残り」なんです。
そのお金を投資に回して利益が出ると、今度はその利益に対して20.315%(所得税+住民税+復興特別所得税)が課税されます。
──ここで多くの人が感じるのが「え、また税金取られるの?」という違和感。
制度上は「給与所得」と「譲渡所得(投資の利益)」はまったく別の所得区分であり、法律上は“二重課税ではない”と説明されます。
けれど、生活者の感覚としては“すでに税引き後のお金を投資に使っている”のですから、再び課税されるのは「実質的な二重課税」と感じるのも無理はありません。
🌍 海外と比べて日本はどうなのか?
日本では投資利益に一律約20%の課税が行われています。
しかし海外では、長期投資を後押しするための“優遇制度”が多く存在します。
アメリカでは、株式の保有期間によって課税率が変わります。
1年未満の短期売買は「普通所得」として高い税率がかかりますが、
1年以上保有した「長期キャピタルゲイン」は税率が下がる仕組み。
長期保有を促すインセンティブが明確に設けられています。
イギリスでは、「キャピタルゲインタックス(譲渡益税)」の非課税枠が年間約3,000ポンド(※2025年時点)あり、その範囲内なら利益が出ても税金がかかりません。
さらに「ISA(Individual Savings Account)」という非課税口座があり、日本のNISAのモデルにもなりました。
そしてシンガポールのような国では、そもそも株式の譲渡益に税金がかかりません。
企業活動の活性化や投資促進を目的に、投資利益を非課税にしているのです。
こうして比べると、日本の制度は“投資でリスクを取る人”への優遇がまだまだ少ないことが見えてきます。
💡 日本で“実質二重課税”を緩和する制度
そんな中、日本でも税負担を軽減する仕組みがあります。
代表的なのがNISA(少額投資非課税制度)です。
NISA口座で得た利益には税金がかからず、運用益や配当金がまるごと非課税。
つまり「給料から税金を引かれた後に投資しても、運用中は課税されない」という“二重課税の緩和策”になっているのです。
2024年から始まった新NISAでは、生涯投資枠が1,800万円に拡大し、非課税期間も無期限化されました。
投資を継続しやすくする方向に、制度は着実に進んでいます。
一方で、今後の課題として議論されているのが「長期保有優遇」や「インフレ調整課税」です。
たとえば、10年以上保有した株の利益には税率を下げたり、物価上昇分を利益から控除したりといった制度。
これらが実現すれば、日本でもより公平で成長を促す税制に近づくでしょう。
🕊️ ことりの考え
わたしは「リスクを取って経済を支えている投資家が、実質的に二重に課税される構造」はやっぱり見直すべきだと思います。
“貯蓄から投資へ”と言われても、課税の仕組みが不公平なら人は動きません。
税金を取る側・取られる側のバランスを考えれば、「投資でリスクを取る人を支える税制」こそが、本当の意味での成長戦略ではないでしょうか。
NISAはその第一歩です。
これをきっかけに、もっと「投資がしやすい社会」「リスクを取る人が報われる日本」になってほしい——そう思います。
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