これはあくまで、将来の自分が迷ったときに読み返すための整理メモです。
株価が大きく下がったとき、
「これは買い場だ」と思える銘柄と、
「いや、これは一度考え直したほうがいい」と感じる銘柄があります。
最近あらためて日本株を見直す中で、
自分が暴落時に本当に“売らずに持てる”と思える銘柄は何なのかを、
一度きちんと整理しておきたくなりました。
高配当だから、
有名だから、
動画でおすすめされていたから──
そういった理由だけでは、
いざ相場が荒れたときに自分の判断を支えてくれないこともあります。
この記事では、
「今すぐ買う銘柄」や「おすすめ銘柄」を紹介するのではなく、
暴落時に自分が納得して持ち続けられるかどうか
という視点だけで、日本株を10社選んでみました。
途中で
「やっぱりこれは違うな」と外した銘柄もありますし、
最後まで迷った銘柄もあります。
その迷いの過程も含めて、
これはあくまで自分自身の投資メモです。
同じように
「日本株、結局どう考えたらいいんだろう」
と感じている方の、
ひとつの整理材料になれば嬉しいです。
この記事で大事にした判断基準
今回、日本株を整理するにあたって、
いくつかの「基準」を最初に決めました。
数字や指標はいくらでも後から見られますが、
暴落時に自分の判断を支えてくれるのは、
最終的にはこの基準だと思ったからです。
① 暴落時に「売らずに持てる」と思えるか
いちばん重視したのは、これです。
株価が大きく下がったとき、
含み損を抱えた状態でも
「それでもこの会社は持っていたい」
と思えるかどうか。
理屈では正しくても、
実際に下げを食らったときに
自分が耐えられない銘柄は、
長期保有には向いていないと考えました。
② 株価の動きが“構造的に納得できるか”
値動きの理由が説明できない銘柄は、
不安になりやすいと感じています。
・信用買いが溜まりすぎて上がらない
・市況や制度に強く左右される
・ボラティリティが高すぎる
こうした要素が強い銘柄は、
どんなに有名でも今回は慎重に見ました。
「なぜ今この動きをしているのか」
を自分なりに説明できるかどうかを、
ひとつの判断軸にしています。
③ 事業内容を自分の言葉で説明できるか
決算資料を読めるかどうかよりも、
もっとシンプルな基準です。
- その会社は何でお金を稼いでいるのか
- なぜ今後も必要とされると思うのか
これを
人に説明できるレベルで理解できているか。
実際に使ったことがあるサービスや、
生活の中で目にしてきた企業は、
数字以上に納得感を持って判断できると感じました。
④ 「おすすめ」ではなく「自分の行動」と一致しているか
この記事は、
誰かに銘柄をすすめるためのものではありません。
自分が
- 本当に買うか
- 持ち続けるか
- あるいは見送るか
その判断と、
書いている内容がズレていないか。
自分の投資行動と矛盾しないこと
これも大事な基準でした。
⑤ あえて外した理由を説明できるか
今回は、
人気のある銘柄でも
あえて外したものがあります。
それは
「悪い会社だから」ではなく、
今回の基準には合わなかった
というだけです。
外した理由を言葉にできるかどうかも、
判断がブレていないかを確認するための
チェックポイントでした。
暴落時に「売らない」と思える日本株10社(一覧)
今回選んだ10社を、先に一覧でまとめておきます。
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ
- 東京海上ホールディングス
- MS&ADインシュアランスグループHD
- 東日本旅客鉄道
- トヨタ自動車
- 鹿島建設
- 伊藤忠商事
- 三菱HCキャピタル
- 武田薬品工業
- KDDI
※これは「今すぐ買う銘柄リスト」ではありません。
暴落時に売らずに持てるかどうかを考えるための整理です。
ここからはそれぞれの銘柄毎にどうして選んだのか書いていきます。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)
三菱UFJフィナンシャル・グループは、日本最大の金融グループで、
国内だけでなく海外にも事業基盤を持つメガバンクです。
銀行株というと景気敏感なイメージがありますが、
三菱UFJフィナンシャル・グループについては「日本の金融システムの中核」という位置づけがまず頭に浮かびます。
極端な話、ここが大きく揺らぐ状況は、
日本全体が相当厳しい局面に入っているときだと思っています。
近年は「金利ある世界」への移行もあり、
銀行にとっては追い風と逆風が混ざった環境ですが、
三菱UFJフィナンシャル・グループは規模と分散の力で、その影響を吸収できる体力があると感じています。
特定の事業や地域に依存しすぎていない点は、
暴落時の安心材料です。
配当についても、
派手な増配を期待するというより、
無理をせず、安定して続ける姿勢が見える点を評価しています。
株価が下がった局面では、
「業績が一時的に悪くなっても、すぐに致命傷にはならない」
と思えることが重要だと考えました。
一方で、銀行株全体として
株価が思ったほど伸びない時期が続く可能性もあります。
それでも、
「売りたくなってしまう不安」より
「持っていても大丈夫だろう」という感覚のほうが勝る。
三菱UFJフィナンシャル・グループは、そう思える数少ない銀行株の一つです。
東京海上ホールディングス(8766)
東京海上ホールディングスは、日本の損害保険業界を代表する企業で、
国内だけでなく海外にも強い事業基盤を持っています。
保険というビジネスは、
景気が良いから伸びる、悪いから終わる、というものではなく、
**「何かが起きたときに必ず必要になる」**性質を持っています。
そのため、暴落時でも
事業そのものが否定されにくい点を評価しました。
東京海上については、
単に「保険最大手」というだけでなく、
海外事業を含めた収益力の高さが安定感につながっていると感じています。
自然災害などのリスクはありますが、
それを織り込んだ上で保険料を設定し、
長期で収益を積み上げてきた実績があります。
配当も高水準ではありますが、
無理に増やすというより、
続けられる範囲で還元していく姿勢が見える点を重視しました。
一時的な業績悪化があっても、
すぐに株主還元が崩れるイメージは持っていません。
暴落時にこの銘柄を持っていたとして、
「事故や災害がなくなる世界は想像できない」
と思えるかどうか。
その問いに対して、東京海上は
比較的冷静に持ち続けられる企業だと判断しています。
MS&ADインシュアランスグループHD(8725)
MS&ADインシュアランスグループHDは、
三井住友海上やあいおいニッセイ同和を中核とする、
国内有数の損害保険グループです。
東京海上が「完成度の高い王道」だとすると、
MS&ADは これからの変化を取りにいく保険会社 という印象を持っています。
特に、グループ再編や効率化によって、
収益体質を改善しようとしている姿勢がはっきり見える点を評価しました。
保険業界は、
売上を急拡大させるよりも、
コスト管理やリスク管理の積み重ねが効いてくるビジネスです。
その意味で、MS&ADが進めている構造改革は、
時間はかかっても、長期的には効いてくると考えています。
配当水準についても、
派手さはないものの、
比較的高めの利回りを維持しながら、無理をしていない印象です。
暴落時に
「業績が多少ぶれても、すぐに方針がひっくり返る会社ではない」
と思えるかどうかを重視しました。
東京海上とMS&ADを並べて保有することには、
同じ保険でも
- 安定を重視する企業
- 変化を取りにいく企業
という違いを持たせられるメリットがあると感じています。
暴落時にどちらか一方が評価されにくい局面があっても、
保険という事業そのものへの信頼は崩れにくい。
その点で、MS&ADも
「売らずに持つ前提」で考えられる銘柄でした。
東日本旅客鉄道(9020)
JR東日本は、新幹線や首都圏の在来線を中心に、
日本の人の移動を支えているインフラ企業です。
個人的には、昔、新幹線で名古屋と東京を頻繁に行き来していた時期があり、
JR東日本のサービスを「利用者として」実感してきました。
この 実体験がある という点は、
暴落時に株価だけを見て判断しなくて済む、大きな材料だと感じています。
チャートを見ると、急騰するタイプではありませんが、
長期では高値・安値をゆっくり切り上げており、
「平坦そうに見えて、実は堅実に右肩上がり」という印象です。
派手さはないものの、
売らない前提で考えるには、ちょうどいい値動きだと思いました。
借金が多い点を不安に感じる人もいるかもしれません。
ただ、その多くは鉄道設備や駅、不動産といった
長期間使われ続ける資産への投資です。
通勤・新幹線・駅ナカといった安定した収入源を考えると、
返済の道筋が見えやすい借金だと判断しています。
暴落時に
「それでもこの事業はなくならない」
と自分が思えるかどうか。
その問いに対して、JR東日本は
比較的迷いなく「YES」と答えられる企業でした。
トヨタ自動車(7203)
トヨタ自動車は、日本を代表する製造業であり、
世界規模で事業を展開するグローバル企業です。
自動車業界は景気の影響を受けやすく、
短期的には株価のブレも大きくなりがちです。
それでもトヨタについては、
地域・通貨・車種が分散されている点が、
暴落時の安心材料になると考えています。
また、単に「自動車を作る会社」ではなく、
ハイブリッドや電動化、ソフトウェアなど、
環境や技術の変化に合わせて
ビジネスモデルを少しずつ進化させてきた点も評価しています。
どこか一つの技術に賭けすぎていないところが、
長期で見たときの強さにつながっている印象です。
配当についても、
無理な水準を目指すというより、
業績に応じて現実的に還元していく姿勢が見えます。
暴落時に
「一時的に利益が落ちても、企業としての基盤は揺らがない」
と思えるかどうかを重視しました。
日本株の中で
「世界と戦っている企業はどこか」
と考えたとき、
トヨタは外せない存在です。
その意味で、
売らない前提で持つ候補として
自然に残った銘柄でした。
鹿島建設(1812)
鹿島建設は、日本を代表するスーパーゼネコンの一角で、
大型インフラや都市再開発など、
技術力が求められる案件に強みを持つ建設会社です。
建設業というと、
景気が悪くなると真っ先に厳しくなるイメージもありますが、
近年は「利益の出ない仕事を取らない」という
選別受注が業界全体で進んでいます。
その中でも鹿島は、
比較的早い段階から利益率を意識した経営をしている印象があります。
また、災害や老朽化といった問題は、
残念ながら今後も避けられません。
そうした局面では、
復旧・再開発という形で需要が発生するのが建設業です。
短期的な景気循環はあっても、
事業そのものが不要になるイメージは持ちにくいと感じています。
配当についても、
過度に背伸びをしている印象はなく、
業績に応じて現実的に還元していく姿勢が見えます。
暴落時に
「仕事がゼロになる会社ではない」
と思えるかどうかを基準にすると、
鹿島建設は比較的安心して見ていられる銘柄でした。
伊藤忠商事(8001)
伊藤忠商事は、総合商社の中でも
特に生活に近い分野に強みを持つ企業です。
資源価格に大きく左右される商社もありますが、
伊藤忠は
- 食料
- 繊維
- 小売
など、
日常消費に近いビジネスの比率が高い点が特徴だと感じています。
そのため、
市況が荒れたときでも
業績が極端に振れにくい印象があります。
商社というと
「何をしている会社か分かりにくい」
と思われがちですが、
伊藤忠については
身近な商品やサービスを通じて
事業のイメージが比較的つかみやすい。
この点も、
売らない前提で考えるうえでは大きな要素でした。
配当や株主還元についても、
一時的な数字より
継続性を意識しているように見えます。
暴落時に
「商社だから全部ダメになる」
とは感じにくく、
むしろ実体経済を下支えする側として
残りやすい企業だと考えています。
三菱HCキャピタル(8593)
三菱HCキャピタルは、リースを中心に、
金融・設備・サービスを幅広く手がける総合リース会社です。
この会社を評価した一番の理由は、
ビジネスの派手さではなく、安定感です。
設備投資や資金調達を必要とする企業がある限り、
その裏側で着実に収益を積み上げていく立ち位置にあります。
特に印象的なのは、
長期間にわたって配当を積み上げてきた実績です。
急成長を狙うタイプではありませんが、
「時間を味方につける」企業だと感じています。
暴落時に
「株価は下がっても、
この会社のビジネスが急に消えるとは思えない」
そう思えるかどうか。
その点で、三菱HCキャピタルは
売らない前提で考えやすい銘柄でした。
武田薬品工業(4502)
武田薬品工業は、日本を代表する製薬会社で、
現在は海外売上の比率が高いグローバル企業です。
医薬品という分野は、
景気の良し悪しに関係なく必要とされるため、
ディフェンシブ性が高いのが特徴です。
暴落時でも
「需要そのものがなくなる」
という状況は想像しにくいと感じています。
一方で、
製薬業界特有のリスクや不確実性もあります。
そのため、
過度な成長期待を持つのではなく、
事業の持続性を重視して見ています。
高配当銘柄として注目されがちですが、
個人的には
「配当の高さ」より
医薬品という事業の強さを評価しました。
相場が荒れたときに、
ポートフォリオの中で
落ち着いて見ていられる存在だと思っています。
KDDI(9433)
KDDIは、通信を中心としたインフラ企業で、
個人・法人ともに安定した顧客基盤を持っています。
通信業界は競争が激しい一方で、
一度契約したサービスを
簡単に手放す人は多くありません。
そのため、
収益の見通しが立てやすいビジネスだと感じています。
同じ通信でも、
今回は需給面や株価の動きを考え、
KDDIを選びました。
派手な成長は期待していませんが、
安定したキャッシュフローという点では
売らない前提で考えやすい銘柄です。
暴落時に
「スマホや通信が急に不要になる世界」
は想像できません。
そうした意味で、
KDDIはポートフォリオの
最後の“安定枠”として位置づけました。
あえて今回の10社から外した銘柄について
今回選んだ10社は、
「良い会社ランキング」ではありません。
あくまで
暴落時に自分が売らずに持てるか
という基準で整理した結果です。
そのため、一般的に評価の高い銘柄でも、
今回はあえて外したものがあります。
日本電信電話(9432)
事業としては非常に安定しており、
通信インフラとしての重要性も疑いありません。
ただ、株価水準が低いこともあり、
信用買いが溜まりやすく、需給が重くなっている
と感じる局面が多くありました。
「本来は上がりたいのに上がらない」
という状態が続くと、
暴落時に余計な迷いが生じやすいと考え、
今回は外しています。
INPEX(1605)
エネルギー関連として魅力はありますが、
原油・ガス価格といった
市況要因への依存度が高い点が気になりました。
相場が良いときは強い一方で、
環境が変わったときの説明が
「価格が下がったから」に集約されてしまう。
今回の基準では、
やや判断がブレやすいと感じました。
日本たばこ産業(2914)
高配当銘柄として人気があり、
キャッシュフローも安定しています。
一方で、
評価の軸が配当一本になりやすい点が気になりました。
配当が続く限りは安心ですが、
事業の成長や変化という点では
長期でのイメージが描きにくく、
今回は見送りとしています。
電力株(各社)
生活インフラとしての重要性は高いものの、
料金制度や政策の影響を強く受けるため、
企業努力だけではコントロールしにくい要素が大きいと感じました。
暴落時に
「会社が悪いわけではないのに下がる」
という状況は、
長期保有ではストレスになりやすいと考え、
今回は対象から外しています。
これらの銘柄は、
「良くない会社」だから外したわけではありません。
今回の判断基準には合わなかった
というだけです。
むしろ、
外した理由を言葉にできたことで、
選んだ10社についても
自分なりの軸を確認できたと感じています。
まとめ
今回まとめた10社は、
「今すぐ買うべき銘柄」でも
「誰にでも当てはまる正解」でもありません。
相場が大きく下がったときに、
ニュースや株価だけに振り回されず、
それでも自分はこの会社を持ち続けたいと思えるか。
その一点だけを基準に、
自分なりに日本株を整理してみました。
途中で迷った銘柄もありましたし、
途中で考えを変えたものもあります。
それでも、
最終的に残ったのは
「事業が分かる」「価値を実感できる」「理由を説明できる」
企業ばかりでした。
この記事は、
未来の自分が相場に迷ったときに読み返すための
判断メモでもあります。
同時に、
同じように
「日本株をどう考えたらいいのか分からない」
と感じている人にとって、
ひとつの考え方の例になれば嬉しいです。
相場はこれからも上がったり下がったりを繰り返します。
でも、
売らない理由を先に持っておくことで、
不安の大きさは少しだけ小さくできる。
そんな気がしています。


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